研究会「人口減少社会の地域レジリエンス~日仏比較:若者が地域に残る条件とは?~」を開催しました。

 10月26日(水)、第3回「地域を変える若者の参画-先進事例の基礎分析-」研究会が岡山商工会議所で開催されました。大学生、経済界、まちづくり関係者を含めた25名が集まりました。

 講師は、2021年度「米国務省重要言語奨学金(CLS)プログラム」を経て、現在フルブライト奨学生として岡山大学社会文化科学研究科で学ぶナタリー・モンテシノ氏です。モンテシノ氏は、「人口減少社会の地域レジリエンス ~日仏比較:若者が地域に残る条件とは?~」を発表し、持続的な地域社会を分析するにあたり、地域のアイデンティティを基盤としたモデルが岡山県各地に存在すると指摘しました。日本やフランス、そして、アメリカにおいても、人口減少は世界的な課題となっており、その対応策は各地で異なっているそうです。

 アメリカも日本も農村地域の衰退が大きな課題となっていますが、両国を比較してみると、日本のまちづくりは、アメリカのコミュニティよりも、伝統行事を通じた地域の繋がりを大切にし、生活の明るさや楽しさを求めているとモンテシノ氏は指摘しました。また、日本国内では、レジリエンスが防災の分野で語られているが、アメリカでは、レジリエンスが文化活動を通じた地域の持続性の視点からも利用されていると述べました。

 会場からは、真庭市、矢掛町、岡山市西大寺エリアなど、岡山県各地のまちづくり事例が紹介されたほか、地域アイデンティティの維持に併せて、その発掘作業に力を入れていると意見が挙がりました。特に、人口減少社会においては、若者や観光客を巻き込んだまちづくりの形成が進められている点が共有されました。

 「地域を変える若者の参画」研究会は、文明動態学研究所の研究支援を受け、岩淵泰・地域総合研究センター・副センター長が開催しています。